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戦うことを忘れた武装神姫 その7 ・・・その6の続き・・・ 神姫オーナーがよく来ることで名のしれた、T市のとある居酒屋。 情報交換の場でもあり、久遠もちょくちょく訪れている。 「・・・で。今日の相談なんだけど。」 カウンター席で、イオの手にしたぐい飲みに自らのコップから酒を分け注ぎながら、久遠が話を切りだした。 「実は神姫バトルする事になっちゃってね・・・」 「なんだ、そんな事か。やっちゃえばいいじゃないか。 あ、オヤジさん、唐揚げ一皿追加ね。」 と、バリバリ食べ物を注文してはモリモリ消費するDr.CTa。 彼女の神姫、沙羅とヴェルナも同様に、どんどん食べている。 「いやー、それがさぁ。M町のセンターのトップとやるんだよ。」 「ふーん。それで? ・・・おねーさーん、生中一杯追加おねがいしまーす。」 「それでって・・・。」 ため息ひとつ、久遠は手元の酒を飲み干すと、経緯をCTaに説明した。 ・・・ それは、久遠がリゼを連れて、神姫関連の雑誌をM町のセンターへ買いに行った時の事だった。たまたまフィールドでは、草リーグの試合が開催中。。。 騎士子VS猫子、しかし猫子は戦い慣れていないのか、一方的な試合内容だった。半泣きの顔つきで防戦一方の猫子に、容赦ない攻撃を次々に加える騎士子。 やがて、研爪(ヤンチャオ)が跳ね飛ばされ、防壁(ファンビー)が粉砕され- 騎士子は、独特の形をした太刀-おそらく、オーナーが自作した物であろう-を振りかざし、追いつめられて戦意を喪失しきった猫子の右腕を- 斬り落とした。 盛り上がるギャラリー。フィールドのシールドが解除されると、まだ中学生くらいの猫子のオーナーの女の子は倒れて動かない猫子を拾い上げ、ごめんね、ごめんね・・・と、大粒の涙をこぼし、店の隅でしゃがみ込んでしまった。 一方の騎士子のオーナーと思しき人物は、勝って当たり前と言わんばかりの態度で、ギャラリーと歓談。 どうにも納得がいかない表情の久遠は、その場を離れ猫子のオーナーの元へ。 「・・・大丈夫。ウチのリゼが治せると思うよ。」 声をかけると一瞬警戒した猫子のオーナーだったが、久遠のボックスから出てきたリゼの姿に、泣くことを止めた。 「どもー。久遠にくきゅうレスキュー隊のリゼでーす。お怪我をした神姫はどの子かなぁ?」 妙に明るいノリで出てきたリゼは、いわゆるナースルック。手にはご丁寧に注射器とバインダー。 「・・・ということ。こう見えても結構な腕前を持っているから・・・。」 久遠はセンターのレンタル作業台を借り、まだ不信感を抱く女の子を後目にリゼと作業にかかる。 「どう?」 「うーん・・・やぁ、大したことは無さそうだよ。あたしは外傷を診ておくから、ヌシさんはクレイドル経由でデータ損傷のチェックをかけて。」 「ほいきた。」 久遠はCTaから貰った試作のクレイドル「さわやかしんさつしつ」を取り出すと、そこへ猫子を移動させ、診察台に寝かせた。 リゼは、白衣の下から次々に工具や補修パテ、タッチペン等々を取り出し、猫子の傷を瞬く間に修復。斬り落とされた腕も、久遠のストックパーツを用い見事に修復完了。 その間に久遠は、慣れた手つきでデータの検査。 それも数分で終わり・・・ 「はーい、お姉ちゃん。おまたせ〜。 破損部品も全部純正で補修したから、これで完璧、もとどおりだよー。 さぁ、再起動かけてあげて。」 女の子に、猫子をリゼが抱きかかえて手渡す。 マニュアル通りの手順で再起動をかける。 「・・・ふえ? あー、かえでちゃん・・・ にゃー!!!怖かったよ〜!!」 「ティナ・・・ごめんね、あたしがやってみたいって言ったばっかりに・・・」 「ううん、かえでちゃんの所為じゃないよ・・・わたしが弱かったから・・・」 わんわんと鳴く一人と一体の横で、冷静に状況判断の久遠。 「ふむ・・・きちんと再起動したねぇ。」 「そりゃそうさ。あたしが治したんだもの。どうやらデータも問題無いっぽいね。よかったよかった。」 と、リゼも満足そうな笑みを浮かべていた。・・・久遠が、クレイドルを片付け終わるころには、かえでと呼ばれた猫子・ティナのオーナーも、落ち着きを取り戻していた。 「本当にありがとうございました。雑誌で読んで、対戦をしてみようとはじめてやってみたら、いきなりここで一番強い人とやることになってしまったんです。」 「私からも御礼を申し上げます。右腕どころか、身体の細かい傷の補修までしていただきまして・・・。」 深々と頭を下げるかえでとティナ。かえでは財布をごそごそ・・・と、その手を止める久遠。 「いや、そんなにしなくてもいいから・・・。 趣味の延長なんだから、タダでいいって。なぁ、リゼ。」 「そうそう。あたしだって、好きでやってることなんだし。ねー、ヌシさん。」 その二人の会話に、思わず笑みがこぼれるかえで。 「おぢさまとそのストラーフさん、仲がいいんですね。」 「お、おぢさまって・・・」 ちょっとガックリ来ている久遠の肩の上では、リゼが必死に笑いをこらえている。 「・・・しかし、最近のバトルもずいぶんと質が落ちたもんだ。」 ぼそっと久遠が呟くと、かえでが訊いてきた。 「そうなんですか? もっと激しい試合だったんですか?」 「ちがうちがう、その逆。最近の試合が殺伐としすぎているんだよ。 さっきの君たちの対戦だって・・・終了間際には、もうティナちゃん・・・だっけ?戦意喪失していたのに、トドメを刺してきたじゃないか。」 頷くかえでとティナ。久遠は続けた。 「俺が武装神姫をいじり始めたときなんて、それこそ礼に始まって礼に終わる、互いをいたわり尊敬する、のんびりとした感じだったんだけどね・・・。」 「そんなんじゃロクな武装神姫にならないっすよ。」 中途半端に太い声が、久遠達の後ろから響いてきた。振り返ると、そこには先の勝者-すなわちM町のトップ神姫使い-が立っていた。 ・・・>後編へ続くっ!!>・・・ <その6 へ戻る< >その8 へ進む> <<トップ へ戻る<<
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武装神姫 MMS,Type DEVIL STRARF 「ボクのパワー、見せてあげるよっ!」 全てを粉砕するは、その身体。 無数の刃と身を包み、鋼の身体で敵を討つ。 敵に与えるは永遠の絶望。その名、悪魔に相応しく。 漆黒のボディに鮮やかに咲き乱れるは、相手の血肉、その屍。 『悪魔型MMS ストラーフ』 ストラーフはアーンヴァルと共に第一弾として発売された武装神姫だ。 強靭なレッグパーツ・サバーカと圧倒的出力を誇るGA4アームを装備し、中~近距離を主眼に置いた武装神姫。 無数の実体剣を装備し、武装神姫随一のハイパワーを生かした華麗な白兵戦を行う。 射撃武装類も比較的充実しており、幅広いレンジに対応可能。 但し、運動性確保の為に本体装甲が比較的軽装で纏められており、防御面に若干の不安を残す。 その性能と外見により非常に人気が高く、発売からかなりの年月が経過しているにも関わらず、時として未だにプレミアが付くほどの入手困難な機体である。 【基本能力】 ストラーフはクロスレンジ戦闘のプロフェッショナルである。 そのため戦闘基本値に以下の修正を得る。 【射撃基本値】(+2) 【格闘基本値】(+3) 【回避基本値】(+3) 【特殊】5HEX以下の敵に対して【基本値】(+1) 《GAアーム》技能習得済(+5) 【技能】 ストラーフはキャラクター製作時に、以下のリストから技能を3つ習得できる。 また経験を積んでキャラクターレベルが上昇した場合、3で割り切れるレベル(3,6,9,12……)に到達する度、新しい特殊技能をひとつ、修得できる。 ストラーフ 技能リスト 《追加HP》 《一斉発射》 《ウェポン習熟》 《緊急回避》 《逃走》 《シールドブロック》 《追加SP》 《反射神経》 《連携攻撃》 《タフネス》 《突撃》 《不死身》 《SP回復》 《捨て身》 《鉄壁》 《パワーアタック》 《掃射攻撃》 【基本性能】 【射撃修正】(±0) 【センサー性能】(±0) 【速度】(6) 【格闘修正】(+1) 【装甲値】 ( 5 ) 【旋回】(3) 【回避修正】(±0) 【HP】 ( 28 ) 【パワー】 ( 8 ) 【格闘武器】 名称 /威力/格闘補正/使用回数 格闘 / 8 / ±0 / ∞ Gアーム(1~2)(*1) / 11/ -10 / ∞ アングルブレード / 9 / ±0 / ∞ フルストゥ・グフロートゥ / 8 / +1 / ∞ フルストゥ・クレイン / 7/ +3 / ∞ 【射撃武器】 名称 /威力/~5/~10/~15/~20/使用回数/間接/連射 S・R・G・R / 10/-1/ -4/ - / - / 8M / ○/ ○ PHC・ウズルイフ / 8/+3/ - / - / - / 6M / ×/ × (*1)通常の攻撃とは別に攻撃可能。 その場合GAアームは【命中-3】のペナルティを受ける。 【カスタムデータ】 【部位】 /【CP】/ 【名称】 /【効果】 頭部 / (0)/ / 胸部 / (0)/ buAM_FL013アーマー /《HP+2》 《装甲+1》 脚部 / (2)/ GA2“サバーカ”レッグパーツ /《HP+2》 《装甲+1》 《格闘+1》 《速度+1》 《パワー+1》 背部U / (3)/ DTリアユニットplus+GA4アーム /《HP+4》 《パワー+2》 《GAアーム内臓》 武装 / (0)/ S・R・G・R 計 /( 5 )
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鋼の心 ~Eisen Herz~ インターミッション06:武装神姫 閃光が奔り、ターゲットは蒸散して果てる。 焦げたようなイオン臭が去ると共に、周囲に光が戻って来た。 否。 暗がりが戻って来た、と言うべきか。 白い闇。閃光が消え失せたのを確認し、京子はゴーグルを外した。 「流石です、京子さま。素晴らしい威力だと思います」 世界初のMMSである“彼女”はそう言って微笑む。 「……後はコストパフォーマンスかな? 出来れば、一射当たり10円位で納めたいわね……」 MMSが神姫としてホビーバトルをする事になれば、当然それはユーザーに浸透させなくては話にならない。 KemotechもFrontLineも、遊びや慈善事業でこの企画を立ち上げた訳ではないのだ。 商業である以上、その座は万人に解放されなくてはならなかった。 「……問題は放電管のチャージロスね、コレを押さえられれば実費で7円切ると思うのよ……」 「収束効率を落として、蓄電量を下げるのは如何でしょうか? ……私のように汎用動作で射撃するのではなく、専用のプログラムを用いれば命中精度はもう少し落としても通用する筈です」 「やっぱそれっきゃ無いか……」 本来“彼女”は射撃を考慮したプログラムを有しては居ない。 目視での測量と、計算による非効率な射撃方法では、そろそろテストの方も限界だった。 「……お~う、やっとるね。京子ちゃん」 「……芹沢さん」 「おはよう御座います、芹沢教授」 芹沢に頭を下げる“彼女”の言葉に時計を見れば、時刻は既に朝の10時。 寝る前にちょっと、のつもりで運用試験を始めたのは既に半日前の事だった。 「……眠いわけだ……」 京子は欠伸を噛み殺して伸びをする。 「んで、どうよ? LC1の調子は?」 芹沢の視線の先には試射の的となり、半ば消失しているターゲットボードの群れ。 「……どうやら、実用まで漕ぎ着けられそうじゃねぇ?」 「はい。私もネットで調べてみましたが、最先端の軍用レーザーにも無い画期的な機構が、いくつも盛り込まれているようです」 「……まあ、出力が低いから出来ることも多いんだけどね……」 軍事転用されそうな技術は思いついても使わないようにしていた。 真紀は、きっとそれを望まないから……。 「……所で芹沢さん。FL12の試作品って、もうロールアウトしたんですか?」 「ん? 確か先週試作品が出来て、起動実験をしてた筈だけど? ……まだCSCは載せずに従来型AIの有線接続だけどね」 ふむ、と京子は考え込んで。 「……芹沢さん。FL12の試作機、2,3機貰えませんか?」 「おチビちゃんでは不満かね?」 「……レーザー砲の他にも、幾つか装備のテストをしたいんです。ブースターのテストもしたいから、出来れば4機あるとベストですね……」 「ブースター?」 首を傾げる芹沢。 「……教授。京子さまの力作を目にしたら、きっと驚きますよ」 くすくすと、顔を綻ばせ“彼女”が微笑む。 「…………」 京子がパソコンから図面を呼び出すのを見ながら、芹沢の心境は複雑だった。 (……やれやれ、ワシ形無しじゃね。……つーかもう用済みっぽい?) 自分達が年単位で築きあげて来たものを、この姉妹はいともあっさり超えてゆく。 それは、嬉しくもあり、悔しくもある不思議な心境だった。 「で、京子ちゃんは何を造ったんじゃね?」 「……羽根です」 その二日後。試作型神姫FL12は飛行型MMSとして再調整を受ける事となる。 そして程なく。 MMSの営業方針は、武装神姫としてのホビーバトルに重点が置かれることとなった。 ◆ CSCに伴う記憶障害には大きな特徴があった。 それは、記憶領域の拡大と、思考の加速、並列化。 言うなれば、愛用のパソコンからごっそりとデータが消失したようなもので、CSC患者の脳には使用可能な空白が大量に出来るのだ。 脳の処理能力は、当然のように常人を凌ぐようになる。 それは、先天性であれば『天才』と称される現象であった。 そして、その天才性はCSCの深度と比例する。 例えば。 軽度で回復してしまった少年は、常人でも珍しくない程度の天才性を持ち。 重度で固着してしまった少女は、もはや神託とでも称する他無い天才性を発揮した。 そして、自らも気付かぬ内にCSCに罹患し、一月かけて独力で回復したその少女は、世界最先端の技術を扱えるようになっていたのだった。 ◆ 「……武装神姫」 「はい、真紀さま。今後MMSは武装神姫としてバトルを中心とした展開を行っていくそうです」 真紀は、“彼女”の報告に少しだけ表情を歪めた。 「……」 「? 主よ、如何なさいましたか?」 真紀を主と仰ぐ“彼女”が、首を傾げて真紀の顔を覗き込む。 その時、病室の扉が慌しく開けられた。 「あ、真紀。私、これからちょっと研究室に行って来るね。……試作品のレーザーソードが出来たんで、カトレアに届けてくるわ」 「カトレア様ですか」 フロントラインとケモテックの、共同研究室に配置された4“人”の神姫。 その長女が、ラン科植物の名を冠する、格闘武器試験用の神姫だった。 「……あの、姉さん……」 「ん? 何、真紀? バスの時間あるから手短にね」 「…………あ、…………ん、……な、なんでも、無い……」 「……? それじゃあ行って来るけど食事、ちゃんとするのよ? 食事残すと香苗さん(看護婦さん)が心配するわよ?」 「……ん」 真紀が頷いたのを見て、京子は走り去った。 ◆ (私にも、真紀の為に出来る事がある) 京子は走る。 (私も、真紀を喜ばせる事が出来る) 脇目も振らずに走る。 (武装神姫が世界に広まれば、それは真紀の想いが世界に広がることになる) 振り返る事も無く。 (私が強い装備を作る事で、それを手伝える!!) 残されたものに気付く事も無く…。 ◆ 「主よ、宜しいのですか? この計画は、京子さまの協力が不可欠と存じますが……」 「……いいわ。姉さんは……、そうね……」 真紀は、病室の窓から病院前のバス停を見る。 「……姉さんは」 そこでバスに駆け込む京子の姿を瞳に映したまま。 「……姉さんには、敵になってもらうわ」 そう、呟いた。 インターミッション07:おしまいの日につづく 鋼の心 ~Eisen Herz~へ戻る 最近のプラモは凄いですね。 思わずガンダムスローネ3種買って、誰もが思いつくコンパチスローネ作ったさ。 色も青で塗り直して、ご満悦。 ……ま、ALLガンダムマーカー仕上げですが何か? AC4に嵌まっている身としてはアーリヤが欲しかったのだけど売り切れで入手できず。 明日当たり遠出してでも手に入れようかと考え中。 ALCでした。
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武装神姫 491 名前:1/5:2009/09/02(水) 10 58 01 ID V4ZLqb3o0 光成「地上最強の神姫を見たいかーーーーッ」 観客「オーーーーーーーーーーーーーー!!!!」 光成「ワシもじゃ ワシもじゃみんな!!」 光成「神姫入場!!!」 アナウンサー「全武装神姫入場です!!!!」 全武装神姫入場!! 3.3mm軸は生きていた!! 更なる研究を重ねフィギュアが甦った!!! 記念すべき第1弾!! ストラーフだァ――――!!! 総合格闘技はすでに我々が完成している!! 第2弾マオチャオだァ――――!!! 組み付きしだい投げまくってやる!! Exウェポンセット代表 グラップラップだァッ!!! 素手の殴り合いなら我々の火力がものを言う!! 戦車の一撃 インファイター ムルメルティア!!! 真の護身を知らしめたい!! プチマスィーンズ装備 ハウリンだァ!!! 命中率は3階級制覇だが総火力なら全種目オレのものだ!! ロシアのスナイパー ゼルノグラードだ!!! 暗闇対策は完璧だ!! 兎型MMS ヴァッフェバニー!!!! 全神姫のベスト・売れ残りは私の中にある!! 赤壁の神様が来たッ 紅もr…じゃなくて紅緒!!! 遠距離なら絶対に敗けん!! 軍隊のケンカ見せたる 狙撃隊長 フォートブラッグだ!!! バトル・モード(収穫の季節)ならこいつが怖い!! okama氏のピュア・ファイター ジュビジーだ!!! 第6弾から炎の寅が上陸だ!! 接近戦特化 ティグリース!!! 防御の無い戦闘がしたいからライトアーマー(軽装)になったのだ!! プロの一撃を見せてやる!!ヴァローナ!!! めい土の土産に満面の笑顔とはよく言ったもの!! 達人の奥義が今 実戦でバクハツする!! シスター型MMS ハーモニーグレイス先生だ―――!!! 世界ヘヴィ級トライクこそが地上最強の代名詞だ!! まさかこの娘がきてくれるとはッッ イーダ!! 飛びたいからここまできたッ キャリア一切不明!!!! 和風の戦闘機(巫女)型MMS 飛鳥だ!!! オレたちは昆虫最強ではない全神姫最強なのだ!! 御存知カブト型 ランサメント!!! 組み換えの本場は今や第9弾にある!! オレを驚かせる奴はいないのか!! エスパディア!!! 胸がデカァァァァァいッ説明不要!! 褐色肌!!! 間垣亮太制作!!! グラフィオスだ!!! トライクは実戦で使えてナンボのモン!!! 超実戦車両!! CHOCO氏の下からアークの登場だ!!! 可愛さはオレのもの 邪魔するやつは思いきり撃ち思いきり血を吸うだけ!! 武装・神姫吸血王者 ウェスペリオー 持ち歌を試しにコナミへきたッ!! のど自慢全神姫チャンプ シュメッターリング!!! 隠密に更なる磨きをかけ ”第5弾”ヴァッフェドルフィンが帰ってきたァ!!! 今の自分に死角はないッッ!! 花型・神姫ジルダリア!! 西洋二千年の剣技が今ベールを脱ぐ!! 第3弾から サイフォスだ!!! ご主人様の前でなら私達はいつでも全盛期だ!! 新しい素体 パーティオ&ポモック セットで登場だ!!! 自慢の装甲はどーしたッ 胸アーマー 未だ平らッ!! 慰めるも撫でるも思いのまま!! エウクランテだ!!! 特に理由はないッ 釘宮が強いのは当たりまえ!! 患者にはないしょだ!!! 日の下開山! ツガルがきてくれたゾ―――!!! 医療現場で磨いた実戦応急処置!! 眼鏡っ娘のデンジャラス・ナース ブライトフェザーだ!!! 母性だったらこの人を外せない!! 超A級包容力 イーアネイラだ!!! 超一流神姫の超一流のおっぱいだ!! 生で拝んでオドロキやがれッ 清水栄一と下口智裕のコラボ!! ウィトゥルース!!! 量産体性はこの娘が完成させた!! 島田フミカネの切り札!! ウェルクストラだ!!! 若き王者が帰ってきたッ どこへ行っていたンだッ チャンピオンッッ 天使型あーんばるがいいと思うのッッッアーンヴァルの登場だ――――――――ッ 加えてコレクター発生に備え超豪華な通販限定神姫を4名御用意致しました! 忍者 フブキ!! 「ハヤテのごとく!」 三千院ナギ!! バトロン元ラスボス!ミズキ! ……ッッ どーやらもう一名は開発が遅れている様ですが、情報が載り次第ッ皆様にご紹介致しますッッ 関連レス 501 名前:水先案名無い人:2009/09/03(木) 01 04 15 ID IP3Z5VuG0 491-495 若き王者が帰ってきたッ どこへ行っていたンだッ チャンピオンッッ 天使型あーんばるがいいと思うのッッッアーンヴァルの登場だ――――――――ッ アスミスファンの俺歓喜wwwww コメント ストラーフが最初で、アーンヴァルが最後とかよくわかっていらっしゃる - 名無しさん 2015-01-12 14 47 37 名前
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戦うことを忘れた武装神姫 その2 焼きそばの調理にかかる。 具は冷蔵庫にあったキャベツとニンジン、魚肉ソーセージであっさり済ませることにした。 「んじゃ、野菜をよろしく。」 でんとキャベツを乗せたまな板の前に武装状態で構えるは、猫爪型のエルガ。 「千切り?みじんぎり?それとも、つま切り?」 「・・・角切りでいいってば。」 「にゃっはー、冗談ですよー。」 冗談でも勘弁して貰いたい。まぁ、そこがかわいいところなのだが。 「せぇの・・・」 小さい躰でありながら、軽々とキャベツ1/4を持ち上げ・・・ 「にゃっ! にゃっ! にゃっ! にゃっ〜!」 ざらららっ。 研爪で、あっという間に角切り完了。 「ほい!」 中華鍋を引っぱり出しつつ、片手で俺はニンジンをポンとエルガに投げる。 「うにゃぁっ!」 飛びかるや否や、あっさりと皮むき・銀杏切りが施される。 「最後はこれだっ!」 魚肉ソーセージのビニールを剥いて、エルガの前に差し出す。 エルガはさっと構えるとー 「ぱくっ。」 「え?」 もぐ、もぐ・・・ 「ごちそーさまー!」 ・・・月末の俺にとっては貴重な、魚肉ソーセージが瞬時に消失した。 つーか、お前モノ食えたのか?! 虚しい気持ちにもなるが、エルガの至福の表情を見ると、 ・・・なんか怒る気にもならない。ま、野菜焼きそばでもいっか。 日常の中で、まったりと過ごす俺と神姫たち。 しかし、ここに居るのは戦うことを忘れた武装神姫。。。 <その1 へ戻る< >その3 へ進む> <<トップ へ戻る<<
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戦うことを忘れた武装神姫 その1 ある日曜の昼下がり。昼飯に焼きそばを作ろうかと台所で準備をしていると。 かさっ 背後から何やら質量の小さい物が移動する音が。 と、 「・・・侵入者感知。レベル2に移行しますがよろしいですか?」 俺が振り向くより先に、テーブルに座る神姫が反応していた。 音の発生源を凝視するは、ウチが飼っている神姫の一体、吼凛型のシンメイ。 「レベル3まで許可する。 つーか、処理任せてもいい?」 「了解しました。」 俺がそう言うと、さくっと武装を装備し、蓬莱壱式を持ち出す。 シンメイが模擬弾を部屋の隅へと打ち込んだ。侵入者をおびき出すためだ。 弾を打ち込むや否や、黒い影が飛び出した。 「目標、確認しました。」 侵入者は慌てふためき、逃げようとする。相当足が速い。しかし。 「ターゲット、ロックオン・・・発射します・・・ ファイアっ!」 バシュッ! べちん!! 腕に構えた蓬莱壱式が火を噴き、侵入者を仕留める・・・も、実弾では無い。 「・・・ミッション完了。ヤマトゴキブリ一匹、仕留めました。」 自信に満ちた顔付きのシンメイの指す先には、粘着「泡」弾により捕獲されたゴキブリ。 「お見事〜! いやはや、ありがとう。助かったよ。」 「いえいえ、このくらいは楽勝です。『朝飯前』・・・と言えばいいんですか?」 「そう、正解。 シンメイもだいぶ学習したねぇ。」 「え、えへへ・・・」 照れながら武装の解除をしているシンメイの頭を、ちょいとつついた。 頬をちょっと赤らめ、頭を掻くその姿に・・・ 俺まで照れてしまった。 俺の日常の中に転がり込んできた神姫たち。 しかし、ここに居るのは戦うことを忘れた武装神姫。。。 >その2 へ進む> <トップ へ戻る<
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2036年 武装神姫の世界 (公式設定)について これは公式ページ内2036年 武装神姫の世界の情報をまとめたものである。 2036年 武装神姫の世界 2031年発売(神姫タイプ以外のMMSはこの限りではない) 主要ユーザー層は十代後半から四十代の男性 神姫の仕様(ハードウェア) 最小構成 神姫は基本的に以下のパーツで構成され、起動後のパーツの取り外しには神姫の停止を伴う。 最小構成CSC(胸部) Core Setup Chipの略。 多数存在するCSCのうち三つを選択しセットする。(同種のCSCの複数セットが可能かは不明) CSCの組み合わせによりコアユニット、素体の基本の性格、能力に対し固体ごとの個性、差異が生じる。 コアユニット(頭部) 頭部に内蔵されるパーツ。 コアユニットの種類により基本的な性格が決まっている。 これとCSCの組み合わせにより性格が決まる。 素体(胴体部) 頭部以下、四肢も含めた胴体部 これとのCSCの組み合わせにより能力が決まる。 このパーツ(胴体部)にバッテリーが内蔵されている。 オプション クレイドル 内蔵バッテリーの充電、データ整理、PCとの通信に用いられる非接触式充電通信装置。 神姫は一日一度このクレイドル上で充電、データ整理のために"眠る"。 武装パーツ 詳細不明 価格 高性能PC程度。(最小構成、武装パーツの有無、クレードルの有無、パーツの性能、流通経路により上下すると思われる) 神姫の仕様(ソフトウェア) 神姫は起動時にオーナー登録をする。 これはMMS国際法により定められている。 オーナーは必ず個人である。 神姫一人に対するオーナーは一人である 逆に一人のオーナーに対して神姫は複数登録できる。 この結びつきは絶対的なものであり、神姫はオーナーを変えることが出来ない。 流通 神姫センター 全国主要都市に点在する「MMS-Automation 神姫」を扱う専門店。 神姫、武装パーツの購入、修理を行うことが出来る。 武装神姫バトルを中心としたアミューズメント筐体も設置されている。 MMSショップ 神姫センターとの違いは不明。 おそらく神姫以外のMSSの取り扱いやアミューズメント筐体の有無だと思われる。 大型家電量販店 神姫、パーツの購入、修理が可能。 ただし上記の二つと違い専門に扱っていないのでサービス質は多少落ちると思われる。 アミューズメント 設置場所 神姫センター、アミューズメント施設等 コンテンツ 武装神姫バトルがメインコンテンツだと思われる。 ほかにも数種類存在するもよう。 武装神姫バトル 2032年から稼動、2036年現在バージョンアップを重ね人気アミューズメントとして定着。 筐体 テーブル状の台の上に透明の直方体のカバーが付いた筐体。 カバー側面に神姫出入り用の扉がある。 筐体上方の天井に吊り下げ式モニター有り(オプション?) オーナー用の椅子二台有り(オプション?) 仕様 バーチャルデータではなく実機を戦闘させる。 レギュレーション 以下の二種類が存在する オフィシャルバトル "武装神姫バトル管理協会(略称神姫BMA)"によって設定されたクラス分けとレギュレーションに則り行われる フリーバトル クラス分け、レギュレーションによらない自由に行われるバトル
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戦うことを忘れた武装神姫 その3 珍しく早く帰宅できたので、玄関先でバイクの点検整備。 ワイヤ、オイル類のチェック、グリス塗り込み等々・・・うむうむ、良い良い。 「・・・何をされているんですか?」 工具箱の上に、アーンヴァル型のイオがいつの間にか腰掛けていた。 「見ての通りだよ。俺の愛車の整備。」 「マスターはマメですね。」 「マメっつーか・・・しばらくほっらたかしだったからね。いい加減可哀想で。」 「この子も、マスターに愛情を存分に注がれているんですね・・・。」 「愛情・・・でいいのかなぁ、この場合も。」 「いいんです、きっと。」 そう言いながら、そっと月明かりにイオの笑顔が浮かぶ。 柔らかな笑顔に、俺もほっと一息。 「うーん、イオもずいぶんと成長したねぇ・・・。来た頃なんて、まずひとりで 外に出て来ることなんか無かったのに。」 整備の仕上げとして、余分なチェーンオイルを拭き取りしながら声をかけた。 「だってマスターが・・・ 外の世界の広さを教えてくれたから・・・」 と、ひょいと飛び上がり、イオはバイクの上に移動するハズだったのだが。 「え・・・きゃっ!!」 バイクのブレーキホースに足が引っかかって勢い良く進むベクトルが変わる。 ぐりん。 ごいん。 よりによってタンクの金属部にバーニア噴射状態で突撃、頭強打。 もんどり打つように落下した先には・・・ 真っ黒のウエス。 も゛ふ。 廃棄直前で、べっとべとのウエスの上に、狙いすましたかのように落下したイオ。 「う、うえぇ・・・またやってしまいましたぁ・・・。」 真っ白なボディが、繊細な顔が、油ででろんでろんになってしまった。 ヘッドユニットも斜めにずれて、今にも泣き出しそうなイオの顔に・・・思わず ドキッとしてしまった。 いかに学習が進んでも抜けないから天然、か・・・。 まぁ、そこがこいつのチャームポイントなんだよね。 戦場には赴かず、洗浄される神姫がいる。 そう、ここに居るのは戦うことを忘れた武装神姫。。。 <その2 へ戻る< >その4 へ進む> <<トップ へ戻る<<
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「……おいしい」 こんにちは。武装神姫、犬型ハウリンの凛です。さて私この度、初めて食事とい うものをとる事となりました。 舞達がよく訪れているという『喫茶翠屋』さん。パン屋さんを営む傍らで営業し ている喫茶店らしいのですが、こちらのパンケーキ。ふわふわとした食感がとて も心地好く、口の中に入れた瞬間には圧倒的な存在感を持ちながら、次の瞬間に は消えてしまいそうな儚さ。柔かく広がる甘みは鮮明な印象を残し、あっと言う 間に駆け抜けて行きます。食事という経験が乏しいばかりにうまくこの感動を表 現出来ないのがもどかしくて仕方ありませんが、正に幸せの味、とにかくただた だ『おいしい』のです。 「ホントにどうなってんだ、神姫って?味覚まであるのか?」 「武装神姫、26の秘密のひとつ!なんだって。でもよかったじゃない。一緒に おいしいって言えるでしょー?」 「ふーん。あとの25はなんなんだ?力と技の風車とか?」 夢中になってパンケーキをむさぼる私とヒカリをよそに、隼人と舞はカップを片 手に楽しそうに話しています。 先日の騒動から数日間、隼人は舞達に冷たくあしらわれ続けていました。耐えら れなくなったらしい隼人はとうとう全面的に謝罪し、今日はその御詫びも兼ねて ここ、翠屋で御馳走する事となり訪れた訳なのです。。 そう、先刻まではあんなに不機嫌そうだったのです。それがまぁ、随分楽しそう だ事。って言うか改めて見るとこの二人、意外といい感じなんじゃあないでしょ うか。 「そういやお前、髪伸びたんじゃないのか?」 「でしょー?ちょっと奈々さんのマネしてみようかなーって。あ、でもあたしね 、なんだか髪細いみたいなの。気になってるんだー。さわってみてよ」 「そうか?いいんじゃねーの?綺麗だし」 舞の髪に指を滑らせる隼人。ちょっとなんですか、その雰囲気?また自然に触れ 合うじゃあないですか若い二人が。隼人もさりげなく綺麗とか言っちゃってなん なんですか?私今初食事中なんですけどもう少し関心とか感動とかないんですか なんなんですか? 「相変わらずうらやましいですね~、このラブラブカップルは」 またどこからともなく二人を冷やかす声。そうですか、そんなに私にケンカを売 りたいと。 「はぁ?」 隼人達より先に、私が不機嫌オーラ全開で声に応えます。どこの誰だか知りませ んが、今の私はすこぶる機嫌が悪いですよ? 「ひぅっ!」 視線を泳がせ、あからさまに怯える小柄な少女。初めて見る方ですが、どこのど ちら様でいらっしゃるんでしょう。 「バカ。なんで俺らがらぶらぶしなきゃならんのだ」 「そーだよ、ルナちゃん。いつも言ってるけど、あたしと隼人だよー?そんなの ないってばー」 二人の対応を見るに、どうやら隼人達の知り合いのようです。いぶかし気な視線 を送り続ける私に気付いたのか、舞がルナさんと呼ばれた少女を紹介してくれま した。 「この娘は北斗ルナちゃん。あたし達のクラスメイトで、この翠屋の看板娘なの 」 「へぇ。そうなんですか」 「ご、ごめんなさぃ」 不機嫌な私に余程驚いたのか、おろおろしながら謝罪を述べる彼女。段々気の毒 になってきました。その様子を見るに悪意があった訳ではないようですし、これ は悪い事をしてしまいましたね。 「あの私、なにかしちゃいました……?」 「い、いえいえ!こちらこそすみませんでした」 深々。誠心誠意の座礼で反省の意を表します。私とした事が、隼人達の友人に対 してなんと失礼な事を。 「いぇ、そんな……?」 「こいつは凛。見ての通り俺の神姫だよ」 隼人の紹介を聞くとよくやく安堵したようで、申し訳ない気持ちを引きずる私に 「よろしくね」と柔らかな笑顔を向けてくれました。その後の談笑でもころころ と表情を変え、その度にふわふわ揺れるツインテールが彼女の可愛らしさを際立 たせていました。多少幼く控え目な印象もありますが、穏やかな物腰の優しい方 のようです。 「ぁ、ごめんなさぃ。そろそろ戻らないと」 「お店の手伝い?大変だね」 「うぅん、私もやってて楽しいから。みんなはゆっくりしていってね」 「あ――」 改めて謝罪を述べようとした私を制すると、ルナさんは微笑みながらそっと頭を 撫でてくれました。 「凛さん。またね」 まるで私の気持ちを見透かしたような明るい笑顔。それだけで、暗い気持ちが晴 れていくようでした。 「はい!ありがとうございました」 私達に手を振り、とてとてと店の中へと駆けて行くルナさん。さりげなく伝票を 持って行くあたりも彼女の人柄を表しているのでしょう。 「可愛らしい方ですね」 「ああ、舞とは違って……痛いごめん冗談痛い」 笑顔のまま隼人の足をぐりぐりする舞。怖いです。隼人もどうなるかはわかって いるのですから、余計な事を言わなければいいのに。 「でもいい娘でしょー?ちっちゃくて可愛いし」 「舞!あたしはー?」 「うん、ヒカリも可愛いよ」 「えへへー」 こんな風に過ごす平和な時間。マスターやその友人達と過ごすこんな時間も、私 達神姫にとってとても幸せな事なのです。こうして深められる絆が、苦しい時に 立ち上がる力になるのです。 神姫とマスター、これが私達の日常。少しずつ積み重ねていく日常なのです。 「舞ー!おかわりー!」 「まだ食うのか!?」 「あ、隼人。私もお願いします」
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ガングラー鋼月の『今時の武装神姫事情』Vol.1 『パソコンでググる武装神姫』 皆さんこんにちわ。自称おもちゃライターのガングラー鋼月と申します。神姫マガジンさんでも新製品レビューなんか時々書かせて戴いていたんですが、このたびスペースを戴いて、コラムを担当させてもらえることになりました。 大会での効果的な運用方法やちょっとした改造例、新製品レビューなんかは他の記事を見てもらうとして、ここではもっと基本よりの……皆さんが普段「?」と感じることを書いていこうと思います。 ○パソコンでググる武装神姫 家に帰ると、ウチの白子が俺のパソコンでネットを見ていた。 「どうしたの? 何か面白い記事でもあった?」 背広を脱ぎながらそう問い掛けると、白子はパソコンのディスプレイを眺めながら、うっとりした瞳でため息をついた。 「今度、新しい背部ユニットが出るんです。欲しいなぁ……」 神姫ユーザー諸氏なら珍しくもない光景だろう。神姫のおねだりに負けて、通販ボタンをポチっと押してしまったかたも多いのではないかと思う。 しかし、ここで疑問に思った方も多いのではないだろうか。 神姫が、なんでパソコンでネットを見るんだ? と。 ○神姫はロボットか? 神姫はロボットである。 アンドロイドとかガイノイドとかいう意見もあるだろうが、そこまでの細かい分類はここでは追求しない。私のホームグラウンドであるオモチャ業界的に言えば、SRWやGFFといった人工知能内蔵型ホビーロボットの延長上にある。 だが、SRWのスーパーロボットや、GFFのMSは自分からネットを見たり、ましてやビームライフルをねだったりしない。せいぜい定期バージョンアップのアナウンスをする程度で、それもメンテナンスソフトが定期的に取得した更新情報を参照しているに過ぎない。 この辺りの性格付けはコミュニケーションに重点を置く神姫シリーズの面目躍如といった所だが、やはりここでも同様の疑問にぶち当たる。 ネットが見たければ、わざわざ人間用のキーボードやマウスを使わなくても、GFFのようにメンテナンスソフト経由でネットに直結すればいいんじゃないか? と。 ○神姫の頭脳はパソコンじゃない まず、ここで神姫の構造をおさらいしてみよう。 神姫はおおまかに三つの部品で構成される。 電子頭脳と記憶中枢を搭載した頭部コアユニット。 思考パターンやデータベースを記録し、神姫のプリセット状態に影響するCSC。 そして、頭部とCSCをつなぐマザーボードを内蔵した素体。 素体のマザーボードに好みのCSCを三つセットして、頭部コアユニットを接続。そのあと起動信号を送ることで初めて神姫が起動するのは……神姫ユーザーなら誰も知っているはずだ。 さてここで注目して欲しいのは、頭部コアユニットである。 頭部コアユニットは電子頭脳と記憶ユニットを含む、文字通り神姫の頭脳部分だ。ここで神姫は物事を記憶し、経験を蓄積させ、CSCの思考パターンに従って思考・判断する。 コアユニットに実装された電子頭脳は、陽電子頭脳と呼ばれる(一般には超AIのほうが通りが良いが)バイオコンピュータの一種で、パソコンに使われている集積回路とは全くの別物だ。 詳しい構造の話は割愛するが、最大の特徴は『自分で考え、判断できる』コンピュータである事だろう。 ○勘違いするコンピュータ 陽電子頭脳は、正確・厳密な判断よりも、あいまいな思考。即ち、人間くさい思考を再現したコンピュータである。 神姫がマスターの話を勘違いした。 居眠りしていると、神姫が気を使って毛布を掛けてくれた。 怖いテレビを見たら、神姫が怖がって離れなくなった。 神姫がバトルスタイルについて悩み出した。 このどれか、もしくは全ての行動を経験した事のある神姫オーナーは多いだろう。これこそが陽電子頭脳の特徴であり、GFFやパソコンの集積回路には出来ない芸当だ。 陽電子頭脳とは、勘違いを含めて、推測や判断を自分で行えるコンピュータなのである。 ただ上記の通り、正確・厳密な判断には欠ける面も多く、製品には個体差(いわゆる性質のムラ)が出てしまう特性があるため、パソコン的な使い方には向いていない。現状の最新OSであるWindows2037も、陽電子頭脳をCPUに用いたパソコンのサポートは行っておらず、ロードマップにも対応の予定は明記されていない。 補足だが、CSCや陽電子頭脳の品質のムラを神姫では『ゆらぎ』という個性化するための特徴として位置付けており、この性質が問題になったことはない。 執筆者注 正確には神姫の陽電子頭脳は、人間と同じくメンタル部分と自律神経部分の二重構造になっており、自律神経部分の陽電子頭脳はある程度正確・厳密な判断を行うことが出来る。 ただ、こちらは神姫の内部構造の管理に特化した部分であり、追加機能を実行できる部分ではないため、本コラムではメンタル部分についてのみ記述した。 ○ブラウザを学習できない神姫 では本題に戻ろう。 パソコンと神姫のコンピュータが別物なのは分かった。だが、神姫には武装用のドライバや、追加学習ソフトというものが確かに存在する。その延長上で、ネット閲覧ソフトも神姫に組み込めるのではないか? 答えは『理論上は○』だ。 神姫武装用のドライバや、言語などの学習ソフトは、パソコンソフトのインストールとは本質的に異なる。 実はドライバも学習ソフトも、神姫に『基本的な使い方を教える』だけでしかない。我々が辞書を買ってきたり、取説を読んだりするのと同じだ。 概ねの場合において、ドライバやソフト導入後も神姫にはそれを使いこなすための追加学習が必要になる。 そして、実際に神姫用ブラウジングソフトというものが企画されたことは、ある。 正確に言えば、あった。 先日偶然にもその企画担当者と話をする機会があったのだが、心の中に流れ込んでくる(そう神姫は表現したらしい)htmlの情報は神姫にとって感じの良いモノではなかったらしい。 唯一、バーチャルバトルと同じようにパソコンとバーチャルポッドを経由すれば、ブラウジング時の不快感はなくなったそうだが……。そこまでして、パソコンで直接ブラウジングを回避するメリットはない。 結局そのソフトは、評価試験の段階で開発中止になったそうだ。 恐らくは人間に近い思考に調整された陽電子頭脳が、ブラウザの処理に追いつけなかったのだろうというのが、開発者の見解だった。 そんなわけで、陽電子頭脳を用いた神姫は、自らの好奇心を満足させるため、シリコンコンピュータを用いたパソコンとシリコンコンピュータ用のブラウザでネットを検索するのである。 間違っても『おねだりしやすいから』という理由ではないことだけは付け加えておきたい。 トップ